プログラミング初心者が100%ぶつかる「エラーの壁」を乗り越える3つの思考法
公開日: 2025年10月23日
順調に動いていたはずのプログラムが、突然、真っ赤な英文と共に停止する。 プログラミングを学び始めた誰もが、この「エラー」という巨大な壁に何度も何度も叩きのめされます。「もう無理だ…」と学習を諦めてしまう人の、実に9割がこのエラー解決の段階で挫折していくと言っても過言ではありません。
しかし、もし私が「プロのエンジニアは、エラーが出るとむしろ喜ぶ」と言ったら、あなたはどう思いますか? なぜなら、プロにとってエラーは「敵」ではなく、「プログラムが自らの間違いを教えてくれる、最も雄弁なヒント」だからです。
前回の記事では、「エラーメッセージを読まずにググる」のが非効率な勉強法だと述べました。 今回はその一歩先へ進み、エラーと正しく向き合い、解決し、そして自らの力に変えるための、具体的な3つの思考法を伝授します。
思考法1:「エラーメッセージは『上から』ではなく『下から』読め」
エラーが発生すると、ターミナルには何十行ものおびただしい量の英文(スタックトレース)が表示され、多くの初心者はそこで思考停止してしまいます。 しかし、読むべき場所は決まっています。それは「一番下」です。
Traceback (most recent call last):
File "C:\Users\...\app.py", line 10, in
result = 10 / number
~~~~~^~~~~~~
ZeroDivisionError: division by zero
このスタックトレースで、最も重要な情報は最後の2行に集約されています。
- ZeroDivisionError: division by zero: これがエラーの種類です。「ゼロで割り算しちゃってますよ」という、非常に分かりやすいエラー名です。
- File "...app.py", line 10: これがエラーの発生場所です。「app.pyというファイルの10行目で起きましたよ」と、ピンポイントで教えてくれています。
エラーが出たら、まず一番下を見て「エラーの種類」と「発生場所」を特定する。これが、エラー解決における全ての始まりです。上から順番に読んで混乱する必要は全くありません。
思考法2:「エラー箇所に『printデバッグ』を仕掛けろ」
エラーの種類と場所が分かっても、「なぜ、そこでそんなエラーが?」と分からないことはよくあります。 例えば、ZeroDivisionErrorが出た10行目の直前で、変数numberがゼロになっているのが原因のようですが、なぜゼロになってしまったのか?
そんな時は、プログラムの途中の変数の状態を覗き見る「printデバッグ」が非常に有効です。 エラーが起きている箇所の少し上に、調査したい変数をprintするコードを仕掛けてみましょう。
# ...
number = some_function() # この関数が怪しい...
# ▼▼▼ printデバッグを仕掛ける ▼▼▼
print(f"DEBUG: 変数numberの値は {number} です。")
# ▲▲▲ ここまで ▲▲▲
# ここでエラーが発生する
result = 10 / number
このコードを実行すれば、ターミナルにDEBUG: 変数numberの値は 0 です。と表示され、「ああ、some_function()の戻り値が意図せず0になっているんだな」と、原因をさらに深く特定することができます。 この地道な調査能力こそが、プロのデバッグスキルなのです。
思考法3:「それでも分からない時は『AI』に聞け」
エラーメッセージを読み、printデバッグを試しても、それでもエラーの原因が分からない。 特に、自分が書いていないライブラリの内部でエラーが起きている場合など、初心者にとっては完全にお手上げ状態になることがあります。
かつては、ここで何時間もGoogleの海をさまよったり、teratailのようなQ&Aサイトに質問を投稿して回答を待ったりするのが普通でした。 しかし、今は違います。あなたには、24時間365日、いつでも質問に答えてくれるAIという名の最高の壁打ち相手がいます。
究極のエラー解決術:エラー文を丸ごとAIに投げる
エラー解決の究極の近道は、ターミナルに表示されたエラーメッセージ(スタックトレース)を、エラーが発生した周辺のコードと一緒に、まるごとAIコード解説ツールに貼り付けることです。
AIコード解説ツール「SerchCode Pro」は、そのエラーが何を意味しているのか、なぜそのエラーが発生した可能性が高いのか、そして、どのようにコードを修正すれば解決できるのかを、日本語で具体的に提案してくれます。
これは、ただ答えを教えてもらうのとは違います。AIの解説を読むことで、「ああ、こういう時にZeroDivisionErrorって出るんだな」「次はここにprintを仕掛けてみよう」という新しい知識とデバッグの引き出しが、あなたの中に蓄積されていくのです。
まとめ:エラーは最高の成長機会である
エラーは、あなたの学習を妨げる「壁」ではありません。正しく向き合えば、あなたの知識の穴を的確に教えてくれる「最高のパーソナルトレーナー」です。
- エラーメッセージは下から読むと心に決める。
- 怪しい場所には、ためらわずprintを仕掛けて中身を覗く。
- それでも分からなければ、エラー文ごとAIに助けを求める。
この3つの思考法を実践すれば、あなたはもうエラーを恐れる必要はありません。 むしろ、エラーが出るたびに「よし、新しい知識を得るチャンスだ!」とガッツポーズできるようになった時、あなたはプログラミング初心者を卒業し、本物のエンジニアへの道を歩み始めているのです。
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