Webアクセシビリティ入門:なぜalt属性は「思いやり」なのか?
公開日: 2025年10月1日
あなたがWebサイトを作るとき、誰に使ってもらうことを想像しますか? 最新のスマートフォンを操る若者でしょうか。大きなPCモニターで作業する同僚のエンジニアでしょうか。
しかし、インターネットの世界には、もっと多様な人々がいます。 視覚に障がいがあり、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)を使ってWebを閲覧する人。 一時的な怪我で、マウスが使えず、キーボードだけで操作する人。 あるいは、電波の悪い場所で、画像が表示されるのを待っていられない人。
「Webアクセシビリティ」とは、このような、様々な状況や能力を持つすべての人が、あなたが作ったWebサイトの情報を平等に受け取れるように設計するための、非常に重要な考え方です。 これは、特別な誰かのためのものではなく、未来の自分自身を含む、すべての人への「思いやり」のデザインなのです。 今日は、その第一歩として、明日からすぐに実践できる2つのHTMLの書き方を紹介します。
1.
のalt属性:見えない人に「絵」を語る
タグを使って画像を配置するとき、alt 属性を何気なく空にしていませんか?
<!-- 悪い例 -->
<img src="dog.jpg" alt="">
この alt 属性(代替テキスト)は、画像が表示されない環境(電波が悪い、スクリーンリーダーを使っているなど)で、画像の「代わり」に表示・読み上げられる、非常に重要なテキストです。
スクリーンリーダーを使っているユーザーにとって、alt="" は、そこに「何かがある」という気配だけを残して、何も情報を伝えてくれない、非常に不親切な体験になります。
<!-- 良い例 -->
<img src="dog.jpg" alt="公園の芝生の上で、楽しそうにボールを追いかける柴犬">
このように、画像が伝えている情景や情報を、簡潔な言葉で説明するだけで、あなたのサイトは、目の見えない人にとっても、ずっと豊かで、分かりやすい場所になります。 これは、Googleの画像検索のクローラーにとっても、その画像が何であるかを理解するための、最高のヒントになるのです(SEOにも繋がります!)。
2.
お問い合わせフォームなどを作る際、入力欄の隣に、ただのテキストを置いて満足していませんか?
<!-- 悪い例 -->
お名前
<input type="text" id="name_input">
これでは、スクリーンリーダーのユーザーは、「読み上げ:お名前」「読み上げ:エディットテキスト」と、2つのものがバラバラに読み上げられ、お名前」というラベルと、入力欄が、互いに関連していることを理解できません。
正しい方法は、
<!-- 良い例 -->
<label for="name_input">お名前</label>
<input type="text" id="name_input">
こうすることで、スクリーンリーダーは「お名前、エディットテキスト」と、これらが一つのペアであることを明確に読み上げてくれます。 さらに、この
まとめ:思いやりが、サイトの価値を高める
Webアクセシビリティは、難しい専門知識の塊ではありません。 それは、「もし自分が、違う状況にいたら、このサイトを快適に使えるだろうか?」と、ほんの少しだけ想像力を働かせることから始まります。
正しく alt 属性を記述すること。
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