サイトが遅い…は致命的。Googleが愛する爆速サイトを作る3つの基本原則
公開日: 2025年9月28日
あなたが丹精込めて作ったWebサイト。しかし、もしそのページの表示に3秒以上かかっていたら、訪問者の半分以上は、ページが表示されるのを待たずに去ってしまう、という残酷なデータがあります。
Webサイトの表示速度は、ユーザーの満足度(ユーザー体験)に直結するだけでなく、Googleの検索順位を決定する上で、非常に重要な評価指標(コアウェブバイタル)の一つです。 つまり、サイトが遅いというだけで、あなたは多くの訪問者と、検索上位に表示されるチャンスの両方を失っているのです。
【実録】自慢のポートフォリオが「表示されない」悲劇
これは私がエンジニア転職を目指して、初めて自分のポートフォリオサイトを作った時の恥ずかしい失敗談です。
当時の私は「とにかく見た目のインパクトが大事だ!」と考え、一眼レフで撮影した高画質の写真を、トップページの背景画像としてそのまま使用していました。 自分のパソコン(ローカル環境)で開発している時は、画像がすでに保存されているため一瞬で表示され、全く問題に気づきませんでした。
自信満々でサーバーにアップロードし、友人にURLを送ったところ、返ってきたのは「画面が真っ白で何も出ないよ?」というメッセージ。 慌ててスマホの4G回線で確認すると、確かにローディングのアイコンが永遠に回り続けていました。 原因は、一枚5MBもある画像を何枚も読み込ませていたこと。合計数十MBものデータを、ユーザーにダウンロードさせようとしていたのです。これでは表示されるわけがありません。
「速さは、機能の一つである」。この言葉の重みを、私はこの時、身をもって知りました。
今日は、当時の私のようなミスを防ぎ、ユーザーにもGoogleにも愛される「爆速サイト」を作るための、3つの基本的な原則についてお話しします。
原則1:画像を「ダイエット」させる (画像圧縮)
Webページの読み込みが遅くなる最大の原因、それは多くの場合、最適化されていない、重すぎる画像ファイルです。 デジタルカメラで撮影したままの数MBもある画像をそのままアップロードするのは、Webサイトにとっては自殺行為に等しいです。
画像をWebサイトにアップロードする前には、必ず「圧縮」というダイエットをさせてあげましょう。
- オンライン圧縮ツールを使う: TinyPNG のような無料のWebサービスを使えば、画質をほとんど落とすことなく、画像のファイルサイズを50%〜80%も削減できます。
- 適切なフォーマットを選ぶ: 写真なら `JPEG`、ロゴやイラストのように色の数が少ない画像なら PNG や SVG、アニメーションなら GIF や WebP といったように、画像の特性に合ったファイル形式を選ぶことも重要です。
画像のファイルサイズを数KB(キロバイト)でも小さくする地道な努力が、サイト全体の表示速度を劇的に改善します。
原則2:同じものを何度も運ばせない (ブラウザキャッシュの活用)
あなたが一度訪れたWebサイトに、二度目にアクセスした時、表示が速く感じた経験はありませんか? それは、「ブラウザキャッシュ」という仕組みのおかげです。
ブラウザは、一度ダウンロードしたロゴ画像やCSS、JavaScriptファイルなどを、「たぶん、またすぐ使うだろう」と、PCの中に一時的に保管(キャッシュ)してくれています。 そして、次に同じサイトを訪れた際には、わざわざサーバーまで取りに行かず、手元に保管しておいたファイルを再利用するため、表示が高速になるのです。
この仕組みを最大限に活用するためには、サーバー側で「このファイルは、〇日間くらいは保管しておいていいですよ」という指示(Cache-Controlヘッダー)を正しく設定することが重要です。 Renderのようなモダンなホスティングサービスは、多くの場合、この設定を自動で最適化してくれています。
原則3:ページの「お絵描き」を邪魔しない (レンダリングブロックの解消)
ブラウザがWebページを表示するプロセスは、上から順番にHTMLコードを読み、内容を解釈し、画面に「お絵描き(レンダリング)」していく、という流れです。
しかし、この途中で、重いCSSやJavaScriptファイルの読み込みが発生すると、ブラウザはお絵描き作業を一旦ストップして、そのファイルのダウンロードと解析が終わるのを待ってしまいます。これを「レンダリングブロック」と呼びます。
これを解消するための、2つの基本的なテクニックがあります。
-
CSSは <head>の中に書く:
CSSは、ページの見た目を決める「設計図」です。ブラウザは、お絵描きを始める前に、まずこの設計図をすべて読み込む必要があります。そのため、CSSの読み込みタグは、HTMLの最初の方にある <head> タグの中にまとめて記述するのが鉄則です。 -
JavaScriptは <body> の一番下に書く:
JavaScript(特に画面の見た目に関わらない機能)は、ページの表示が終わった後に読み込んでも問題ない場合が多いです。そのため、<script> タグは、HTMLの最後、</body> タグの直前に置くことで、ページの表示をブロックせずに済みます。
まとめ
サイトの高速化は、専門家だけの領域ではありません。
- 画像を圧縮する
- キャッシュを意識する
- スクリプトの読み込み位置を最適化する
この3つの基本原則を意識するだけで、あなたのサイトのパフォーマンスは大きく向上します。 ぜひ、Googleの PageSpeed Insights のようなツールを使って、あなたのサイトの健康診断をしてみてください。改善点を見つけて修正していくプロセスは、非常に楽しく、やりがいのあるものですよ。
関連記事
プログラミング学習に必須ツール!
記事で紹介したコードがよく分からなかったり、ご自身のコードについてもっと知りたい場合は、AIコード解説ツールが便利です。コードを貼り付けるだけで、AIが日本語で分かりやすく解説します。
AIコード解説ツールを使ってみる →