【初心者向け】APIって何? Webの仕組みを支える「魔法のレストラン」で学ぼう
公開日: 2025年9月22日
プログラミングの学習を進めていると、必ずと言っていいほど「API」という3文字の言葉に出会います。
「APIを叩く」「APIキーを取得する」「REST API」…なんとなく「外部の何かと連携するやつでしょ?」というイメージはあるけれど、その正体を正確に説明できる人は、意外と少ないのではないでしょうか。
僕も最初はそうでした。しかし、このAPIの概念を理解した瞬間、作れるアプリケーションの幅が爆発的に広がり、プログラミングが何倍も楽しくなったのを覚えています。
今日は、このAPIという、一見とっつきにくい概念を、「魔法のレストラン」の例えを使って、世界一やさしく解説してみたいと思います。
ようこそ、魔法のレストランへ
想像してみてください。あなたは、最高の料理を作る「キッチン(=Webサービス、例えばGoogleマップやTwitter)」の前にいます。 でも、あなたはそのキッチンの複雑な調理法(内部のプログラム)を知りませんし、知る必要もありません。あなたが欲しいのは、ただ「最高の料理(=データや機能)」だけです。
そのキッチンと、あなたの間には、一人の完璧な「ウェイター」が立っています。 このウェイターこそが、「API (Application Programming Interface)」です。
1. あなたは「注文(リクエスト)」をする
あなたは、ウェイター(API)に対して、決められた形式の「メニュー表(=APIドキュメント)」に従って、注文(リクエスト)をします。
// 「東京タワーの情報をください」という注文
fetch("https://maps.googleapis.com/maps/api/place/findplacefromtext/json?query=東京タワー&key=YOUR_API_KEY")
この時、「`key=YOUR_API_KEY`」という部分は、あなたがそのレストランの常連客であることを証明するための「会員証(APIキー)」です。これがないと、ウェイターは注文を受け付けてくれません。
2. ウェイターがキッチンとやり取りする
注文を受け取ったウェイター(API)は、あなたには見えないキッチンの内部に入っていきます。
そして、あなたの注文(query=東京タワー)を、シェフ(内部プログラム)が理解できる言葉に翻訳して伝え、料理(データの検索や加工)を依頼します。
キッチンの中で、どんなに複雑で、火事になりそうな調理が行われていようと、あなたは全く気にする必要はありません。ウェイターがすべてをうまくやってくれます。
3. ウェイターが「料理(レスポンス)」を運んでくる
調理が終わると、ウェイター(API)は、完成した料理(レスポンス)を、あなたが食べやすいように、綺麗なお皿(JSON形式など、標準化されたデータ形式)に盛り付けて、あなたの元へ運んできます。
{
"candidates": [
{
"formatted_address": "日本、〒105-0011 東京都港区芝公園4丁目2−8",
"name": "東京タワー",
...
}
],
"status": "OK"
}
あなたは、この受け取った料理(データ)を、自分のWebサイトで好きなように飾り付け(表示)すればいいのです。
APIがあるから、世界は便利になる
この「魔法のレストラン(API)」の仕組みがあるおかげで、私たちは、
- 天気予報サイトの「キッチン」に注文して、最新の天気情報だけを受け取る。
- ECサイトの「キッチン」に注文して、商品の価格情報だけを受け取る。
- そして、この「SerchCode Pro」もまた、GoogleのGemini AIという巨大な「キッチン」に、ウェイター(API)を通じて解説を「注文」しているのです。
すべてのサービスが一から自分のキッチンを持つ必要はありません。優れた専門店のキッチンと、APIという優秀なウェイターを借りることで、世界中のアプリケーションは、驚くほど速く、安く、そして便利に開発されているのです。
APIの概念を理解することは、あなたが「消費者」から、サービスを組み合わせる「創造者」へと進化するための、非常に大きな一歩です。 ぜひ、色々なAPIドキュメント(メニュー表)を眺めて、次はどんな面白い注文をしてみようか、とワクワクしてみてください。
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