プログラミング入門者が最初に学ぶべき『リファクタリング』の考え方|悪いコードを良いコードに育てる技術
公開日: 2025年11月08日
エラーと格闘の末、自分のプログラムが初めて意図通りに動いた瞬間。それは、プログラミング学習における最高の喜びの一つです。 多くの初心者は、この「動いた!」という事実だけで満足してしまいがちです。「結果が同じなら、コードの中身なんてどうでもいいじゃないか」と。
しかし、それは大きな間違いです。 あなたが今日書いたそのコードは、明日、一週間後、あるいは一年後のあなた自身が、修正したり機能を追加したりするために「読む」ことになるのです。 もし、そのコードがあなた自身にさえ解読不可能な「スパゲッティコード」だったら…? 未来のあなたは、過去の自分をきっと呪うことになるでしょう。
そこで登場するのが、「リファクタリング」という、全てのプロフェッショナルが実践する超重要スキルです。 今日は、この「リファクタリング」の基本的な考え方と、あなたのコードを未来の財産に変えるための具体的な技術を解説します。
🤔 リファクタリングとは? なぜ必要なのか?
リファクタリングとは、「外部から見た振る舞い(機能)を変えずに、内部の構造(コード)を改善すること」です。 つまり、プログラムの「動き」は全く同じまま、中身をより読みやすく、理解しやすく、変更しやすくすること。 これは、散らかった部屋を、使いやすいように整理整頓する作業によく似ています。
悪いコードの例:「コードの匂い」がする
まずは、リファクタリングが必要な「悪いコード」の例を見てみましょう。 商品の合計金額を計算する、一見すると正しく動くコードです。
# 悪いコードの例
def calc(val, qty, loc):
# 手数料と税率
x = 1.1
y = 300
# 地域による追加料金
if loc == "Okinawa":
z = 1500
else:
z = 500
result = (val * qty * x) + y + z
return result
# 実行
total = calc(5000, 2, "Tokyo")
print(f"合計金額: {total}円") # => 合計金額: 11800.0円
動きます。しかし、このコードからはいくつかの「悪い匂い」がします。
- val, qty, loc, x, y, z ... これらの変数名から、何を表しているのか全く分かりません。
- 1.1や300といった数字が、何の説明もなく突然現れます(マジックナンバー)。
- calcという一つの関数が、税金の計算、手数料の追加、送料の計算という、複数の役割を一度に行っています。
✨ 良いコードへ:「リファクタリング」の実践
それでは、この「悪い匂い」を一つずつ消していきましょう。
リファクタリング後のコード
# 消費税率
TAX_RATE = 1.1
# 基本手数料
HANDLING_FEE = 300
def calculate_total_price(price, quantity, location):
"""商品の合計金額を計算する"""
subtotal = price * quantity
subtotal_with_tax = subtotal * TAX_RATE
shipping_fee = calculate_shipping_fee(location)
final_price = subtotal_with_tax + HANDLING_FEE + shipping_fee
return final_price
def calculate_shipping_fee(location):
"""地域に基づいて送料を計算する"""
if location == "Okinawa":
return 1500
else:
return 500
# 実行
total = calculate_total_price(5000, 2, "Tokyo")
print(f"合計金額: {total}円") # => 合計金額: 11800.0円
改善された点
- 変数名がprice, quantityとなり、役割が一目瞭然になりました。
- 1.1や300はTAX_RATEなどの定数になり、意味が明確になりました。
- 送料計算のロジックがcalculate_shipping_feeという別の関数に切り出され、calculate_total_priceの役割がシンプルになりました。
どうでしょうか?コードの行数は増えましたが、圧倒的に読みやすく、そして将来「送料の計算方法だけ変えたい」といった修正がしやすくなったと思いませんか?
🤖 問題点:初心者は「悪い匂い」に気づけない
リファクタリングの重要性は分かっても、初心者のうちは、自分の書いたコードのどこが「臭う」のか、つまりどこに改善の余地があるのかを自分自身で気づくのが非常に難しいのです。
これは経験の差であり、仕方のないことです。現場では、先輩エンジニアがコードレビューで「この部分は、もっとこう書くと読みやすくなるよ」と指摘してくれますが、独学ではそのフィードバックを得る機会がありません。
AIを、あなたの「コードレビューの相棒」に
この問題を解決し、あなたの「良いコードを書くセンス」を鍛えるための最高のトレーニングパートナーが、AIコード解説ツール「SerchCode Pro」です。
あなたが「動いた!」と思ったコードを、そのままツールに貼り付けてみてください。 そして、AIが生成した「詳細解説」をじっくりと読んでみるのです。
- AIの解説が、やたらと長くて複雑になっていませんか?
もしAIが、あなたの短いコードを説明するために、非常に長い文章を費やしているなら、それはあなたのコードのロジックが複雑すぎるサインかもしれません。 - AIは、あなたの変数名を正しく解釈できていますか?
もしAIが「変数xは、おそらく商品の価格を表しているようです…」といった、推測に基づいた解説をしたなら、それはあなたの変数名が分かりにくい証拠です。
AIによる客観的な解説は、あなたが無意識に書いてしまった「悪い匂い」を嗅ぎつけるための、強力な「探知機」になります。 AIの解説をヒントに、「もっとシンプルに書けないか?」「もっと分かりやすい名前にできないか?」と自問自答するプロセスこそが、リファクタリング能力を鍛える最高の実践トレーニングなのです。
まとめ:コードは「書く」ものではなく「育てる」もの
優れたプログラムは、一度で完璧に書かれるものではありません。 まずは動くものを書き、それを何度も見直し、より良くしていく。まるで庭の植物を手入れするように、コードを「育てる」という感覚が非常に重要です。
- 「動けばいい」で満足せず、未来の自分が読みやすいコードを意識する。
- 変数名、マジックナンバー、関数の責務分割といった、基本的なリファクタリングの型を覚える。
- AIを客観的なレビューアとして活用し、「良いコードのセンス」を磨く。
リファクタリングは、プログラマーが生涯にわたって実践し続ける、奥深く、そして楽しい技術です。 今日からあなたも、自分のコードを「育てる」楽しみを始めてみませんか?
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