【図解】技術的負債とは?放置するとサービスが死ぬ「見えない借金」の正体 更新日: 2026年1月12日 私がまだ新人の頃、ある社内ツールの改修を頼まれた時のことです。 「ボタンの色を変えるだけだから、5分で終わるだろう」と高を括ってコードを開いた瞬間、私は絶句しました。 そこには、btn1, btn2, btn_new と名付けられた変数が無数に散らばり、同じような処理が何十箇所にもコピペされていたのです。 結局、たった1行のCSSを修正するために、影響範囲の調査だけで丸3日かかりました。 これが、ソフトウェア開発の世界で恐れられる「技術的負債 (Technical Debt)」の正体です。 今日は、放置すればするほど開発者を苦しめ、最終的にはサービスそのものを死に至らしめる、この「見えない借金」についてお話しします。 技術的負債の正体:「今、楽をする」ための短期的な選択 技術的負債とは、一言で言えば、「『長期的には良くない』と分かっていながら、今のスピードを優先するために選んだ、手抜きの実装」のことです。 例えば… 汚いコード: 「とりあえず動けばいいや」と、コピペで機能を追加する。 不十分なテスト: 「テストコードを書く時間がない」と、手動確認だけでリリースする。 古い技術の放置: 「まだ動くから」と、サポート切れのライブラリを使い続ける。 私自身、「後で直せばいいや」と思って書いたコードを、本当に後で直したことは一度もありません。 そのツケは、確実に未来の自分(あるいは同僚)に回ってきます。 負債がもたらす「利息」という名の地獄 この借金を返済しないと、あなたのプロジェクトは日々「利息」を払い続けることになります。 開発速度の低下: どこを触ればどこが壊れるか分からず、修正に時間がかかる。 バグの頻発: 1つ直せば2つバグが出る「モグラ叩き」状態になる。 モチベーションの低下: 「触りたくないコード」に向き合う毎日は、開発者の心を折ります。 新しい機能を作りたいのに、時間の9割を「過去のコードの修正」に使っている。これが「利息で首が回らない」状態です。 負債を返済する方法:「リファクタリング」という名の整理整頓 では、この借金をどうやって返済すればいいのでしょうか。 そのための最も強力な手法が、「リファクタリング」です。 リファクタリングとは、「外から見たときの挙動(機能)を変えずに、内部のコード構造を綺麗にすること」です。 分かりにくい変数名(a, b)を、意味のある名前(user_age)に変える。 コピペされたコードを、一つの関数にまとめる。 「機能が増えるわけじゃないから、やる意味がない」と考えるのは危険です。 リファクタリングは、未来の開発速度を上げるための「投資」なのです。 Gitを使って、こまめにコミット しながら、少しずつ借金を返済していく習慣をつけましょう。 まとめ:負債は悪ではない。管理するものだ。 誤解しないでほしいのですが、技術的負債は必ずしも「悪」ではありません。 スタートアップなど、一刻も早くリリースしなければならない時は、あえて借金をしてでもスピードを優先すべき場面もあります。 重要なのは、「自分たちが今、借金をしている」という自覚を持ち、「いつか必ず返済する」という計画を持つことです。 あなたの書く一行一行が、未来の「資産」になるのか、それとも「負債」になるのか。 その視点を持つことが、プロのエンジニアへの第一歩です。 プログラミング学習に必須ツール! 記事で紹介したコードがよく分からなかったり、ご自身のコードについてもっと知りたい場合は、AIコード解説ツールが便利です。コードを貼り付けるだけで、AIが日本語で分かりやすく解説します。 AIコード解説ツールを使ってみる →